空きっ腹のブルース

お腹が空いた冬

これからはじめるReact実践入門の感想

こちらの方の記事を読んだ方がいいと思った。経験者ならではの話がある。

blog.nkzn.net

謝辞

Twitterで行われていたWINGSプロジェクトのレビュー企画に応募し、書籍献本を受けました。ありがとうございます。

良い点

前から読んでいっても学習可能だし、リファレンスとしても使える

大枠として「導入編」「基本編」「応用編」の3段階に分かれていて、後ろのページに行くほど難しくなっている。さらにルーティングやコンポーネント開発など後から辞書として調べたい項目別に章が分かれているので後から見返しやすい。なので、前から読んでいっても、後から見返しても読みやすい作りになっている。個人的にこの著者が書く本の一番のウリはこれだと思う。手を動かして進める系は一回目に読むには適しているが、読み返すときには情報が散らばってて見づらい。かといってリファレンス系にすると知識がある人はいいがそもそも初心者は読めない。このいい塩梅をとっているので、初心者の人でも中級者の人でもお勧めできる。

細かい注意点も書かれている

import文の拡張子、key属性はループの中で一意性の話など、どこかで聞いたことあるがすぐに忘れてしまっていた内容が Note として散りばめられている。もしかしたら経験者には当たり前なのかもしれないが、自分は忘れてしまっていたのでこういうちょっとした知識はとても助かる。

React Router, React Hook Form, Recoil などが扱われてる

自分が買った本はこういう内容が書かれてなかったので個人的にここがありがたかった。特にRecoilが扱われているのは良くて、「ReduxよりRecoilがいいzo 」という記事を見かけたことはあるが体系だって知れる機会がなかったので良い。

よく使われているライブラリも扱っていた

こういう解説本では公式が提供するライブラリしか使わないのだが、Story Book、Material UI 、Emotionなどの外部ライブラリを扱っているのはありがたかった。実際に現場で使われているかどうかは知れないが、そもそも存在すら知らなかったので頭の片隅に置いておく。

気になる点

v18に出てきた並行レンダリングなどがない。v18対応というにはちょっと弱い

React v18 と検索すると並行レンダリングというのが増えているらしく、なんだか難しそうな概念なので扱って欲しかった。全部を把握しきれてないが、v18固有の内容で本書で扱われてるのはトランジションだけだから、ちょっと物足りない。Reactv18が出たのは去年なのでもう少し踏み込んで欲しかった。

TypeScriptとNext.jsの章が蛇足

TypeScriptはほぼ必須なのだから JS でなく全て TypeScriptで書いても良かったんじゃないかなと思った。そっちのほうが分かりやすい。また、この方はNuxt.js の本も書いているのだから、Next.jsを書くのであれば別の本として切り分けて欲しかった。この章だけで約100ページ費やしているからその部分をReactの説明にさいて欲しかった。

本書を知った経緯

Reactを身に付けたいなと思いつつ本屋を探したが現状出版されているReactの本は、情報が古いものか、新しいけど浅いところまでしか扱ってないか、経験者に書かれたものしかなかった。自分が欲しいのは、新しくて網羅的に扱っているタイプの本だから、世間でReactが流行っているのについていけず歯痒い思いをしていた。そこで見つけたのが山田祥寛さんのReact本だ。この人が書いたものは、Railsの本で読んだことがあり、手を動かして学ぶチュートリアル形式でありながら、リファレンスとしても使える本で、なかなかいいライターだと思ってた。なのでAmazonでReact本を探していてこの人の本があることを知って読んでみることにした。読んでみると案の定いい感じの本だった。名前はいろんな本で聞いていたからなんでこんな多作なんだろと思い調べてみるとライター集団らしい。これからも継続的にいろんな分野の本を書いてほしいと思った。